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全生訓
生くるものはいつか死ぬ也。
それ故生きている也。
されどいつか死ぬに非ずして、刻々死している也。
笑っていても泣いていても、死につつある也。
その死につつあるを生きていると申している也。
刻々生きている人あり、死んでいる人あり。
利害得失に追い廻されて汲々としている如きは、生きているのは利害得失にして、人は刻々死んでいる也。
知識に追われ規則にしばられ、毀誉褒貶の為、他人の顔色に使われているが如きも亦同じ也。
この刻々死につつある人世に生ききること、全生の道也。
野口晴哉
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